• VISION
  • ELEMENTS
  • HUMAN

CONTENTS

HOME CREDUON FOR TEACHERS  VISION  ELEMENTS  HUMAN WHAT'S CREDUON GALLERY きくクレデュオン

 

お問い合わせ 動作環境について 編集部
POWER FOR TEACHERS SEED 2021

LINKS

東京学芸大子ども未来研究所 Facebook
ジブラルタ生命 先生応援サイト
畑陽平 Yohei Hata
2002年生まれ 男子
3歳の時に専門医に通院を始め、自閉症の可能性を告げられる
同年、世田谷区立の保育園に通園
小・中学校を小金井特別支援学校、高校を田無特別支援学校に通学
2021年4月から小金井市内の生活介護事業所に通所している
障害区分判定で一番重い区分6、強度行動障害判定を受け、市内の生活介護事業所に通い、その日見たこと、感じたことを呼吸するように自然に自由に描いている

Title:「花獅子の群。」
Ilust:畑陽平/Yohei Hata
Visual Composer:正木賢一/Kenichi Masaki

Story

百獣の王とよばれる私たちライオンの
狩の成功率は20%から30%と意外に低いのです。
時にはサイやカバなどに負けてしまうことも。
だからネコ科のなかで唯一群れを作るのです。

Text:竹腰卓司/Takashi Takekoshi

Review

擬人化から離れて、顔と下顎の分化が見られる。牙と爪の鋭さが細かく描かれており、この動物の強さを強調しているようだ。たてがみが風に勢いよくなびいている様なのか、始点からスピードがあり筆が止まることなく筆を払っている。王者の強さと陽平さんの未知の緊張感が共創しているようだ。耳が大きく内耳も描かれるなど解剖的なところは、より写実性に近く、王者への関心度の高さが伺える。
身体やしっぽが後付けに思われるが、獲物に襲いかかる瞬間を描いている事がわかる。後ろ脚については、二本足で身体を支えるだけのバランスをとるための接地面が広くとられている事から、ライオンの脚力や身体バランスの必要性を理解しているといえる。
目の前のものを正確に写しとるというわけではなく、陽平さんのイメージや思いを通して頭の中で整理し構成を組み立てている様子がうかがえる。生活の中で、驚いたり、感動したり、発見したり、体感したことをメッセージとして絵に託しているようである。「ライオン」という名詞だけではなく、躍動感を映す動詞が生まれた絵であることは、日常の生活動作が感覚として目覚め、充実してきているのではないか。睡眠障害のもつ陽平さんが、「眠い」という感覚よりも、目まぐるしく感情と向き合っている姿が伺える。
 
Creduonの動物シリーズが描かれたのは、小·中学校の頃。この頃は、睡眠障害·パニック·強い偏食といった困難によって生活に支障を来していた時期であったと聞きます。感覚刺激への反応に偏りがあり、沢山の刺激に混乱していたものと考えられます。音に敏感だった為にイヤーマフを装着したり、まぶしい光が苦手だったために遮光カーテンを部屋につけたり。親御さん含め、学校の先生たちもハラハラし通しだったことが窺えます。1日が忙しくあっという間に過ぎる中、困難の中でも毎日毎日絵を描き続ける陽平さんの姿がありました。いつでもどんな時でも描き続ける継続力や、描く動物への観察力の鋭さ。お母さんは陽平さんには点数に出来ない生きる力を沢山もっていることに気がつきました。
経験や体験したことを絵に記録することによって、動物の認識を定着させたり、創造の世界を豊かにして、陽平さんの世界観が出来始めている頃と想像します。毎日絵を描く事で、視覚と手の協調性が促され、手先の巧緻性が高くなったものと考えます。陽平さんの描く線にはムラがなく、心のあるがままをそのまま自由に線を走らせているのがわかります。おそらくお母さんが絵に取り組みやすい環境を整えたことや、生活スキルの訓練とは別に陽平さんの絵画意欲を高める時間をつくったことも功をやつしたのではないでしょうか。なによりも、困難な生活の中でも楽しそうに絵を描く陽平さんを見ているのが、お母さんは一番楽しかったのかもしれません。天使、怪獣、天才···沢山の言葉がお母さんの中にも生まれた事でしょう。
絵を描きながら成長する中で、純度の高い好奇心が鋭い観察力を生みました。絵画を介しての創造的思考へと変化したことが想像されます。自分の中のイメージをまとめたり、芸術性を育てたり、心の中の叡智を育てているように見えます。また、動物の顔をかわいらしく擬人化することによって、情動的な関係をもとうとしているようです。陽平さんなりの自我の目覚めとともに、自然や生き物に興味を抱いたり、喜怒哀楽といった感情も抱いたのではないでしょうか。
拒否の言葉を覚えだしたのも、この頃でした。

発達分野の作業療法士 安河内美樹 / 言語聴覚士・准看護師 大橋恵子

Title:「花香の誘引。」
Ilust:畑陽平/Yohei Hata
Visual Composer:正木賢一/Kenichi Masaki

Story

受粉を促すために虫や鳥などの動物を
花に誘引することを動物媒花というのだそうです。
わたしたちだって、きれいな花や香りは大好き。
ネコが誘引されてはダメですか?

Text:竹腰卓司/Takashi Takekoshi

Review

顔が画の中心付近であるが、鼻と口が左向きであることから全体的に横向きに書こうとする工夫がみられる。口元が小さく細かいが、口に何かくわえているのかと想像を掻き立てられるような特徴を丁寧に描いている。細かく描ける手先の巧緻性の高さも出ている。口と鼻の拡大描写か、陽平さんなりの着眼点を想像させられる。目は黒く塗って存在感が出ており、この動物がジッと見る行為を描いているが、そこには陽平さん自身も見ることへの興味や関心を寄せているものと思われる。
身体の線は一本書きで迷いがなく、「猫?」のしなやかな尻尾に向かって筆を走らせている勢いがわかる。筆を滑らかに走らせるための手や体の使い方が出来ていて、落ち着いた空間の中で取り組めていることが想像できる。おおむね顔と身体の比率やバランスが整っており、図式期と写実期が混在している印象がある。

発達分野の作業療法士 安河内美樹 / 言語聴覚士・准看護師 大橋恵子

Title:「春色の擬態。 / The Spring Camouflage」
Ilust:畑陽平/Yohei Hata
Visual Composer:正木賢一/Kenichi Masaki

Story

草原や森のなかで目立たない体色に進化した私たち。
でも、人に保護され、大切にされるようになった今、
もっと自由に色彩をまとってもいいのかもしれない。
だから、鮮やかに、軽やかに、春にまぎれてしまいましょう。

Text:竹腰卓司/Takashi Takekoshi

Review

象への関心ある部分を強調して描いている。一般的には左向きに書くところ、右向きに書いている(原画)ことから、大きな体から書き始めた可能性が高い。次に太い後ろ足、大きな耳、長い鼻と書くなど、関心の強い順に大きさの変化が出ている。そのため全体的に大きさの割合はまちまちだが、あえて拡大描法をすることで、彼の世界観が伝わってくる。また、耳・目・足には奥行や遠近感があり立体感を出している。誰に教えられたわけでもなく、独自の学習方法で事物の表裏を描いたのだろう。また耳や鼻のしわなど質感も出しており、鋭い観察力を示していることがわかる。

発達分野の作業療法士 安河内美樹 / 言語聴覚士・准看護師 大橋恵子

CONTENTS

HOME CREDUON FOR TEACHERS  VISION  ELEMENTS  HUMAN WHAT'S CREDUON GALLERY きくクレデュオン

 

お問い合わせ 動作環境について 編集部
POWER FOR TEACHERS SEED 2021

LINKS

東京学芸大子ども未来研究所 Facebook
ジブラルタ生命 先生応援サイト
Copyright Tokyo Gakugei Univ. Children Institute for the Future. All Rights Reserved.

▲