Vol.1752030年以降の社会に必要な教育を考える③
コンピテンシー育成のための研究授業をオンラインで!

 東京学芸大学・次世代教育研究推進機構は、その開始当初より「OECD Education 2030プロジェクト」へ参加し、OECDとの共同研究を実施してきました。
 その中で、子供たちが2030年の世界でよりよく社会や世界と関わり、よりよい人生を送るために必要であり、日本の学校教育で育成可能なコンピテンシーとして7つの汎用的スキル(分野を超えて利用可能な思考や問題解決、表現などのスキル)と8つの態度・価値を提案しています(図1)。

[図1. 汎用的スキルと態度・価値]

 それでは、上記のような力を育成するために、どのような授業を行うべきでしょうか?
 この問いへの答えに資する取り組みとして、次世代教育研究推進機構では、21CoDOMoSという動画配信システムを提供しています(図2)。

[図2. 21CoDOMoS]

 このシステムは、多くの教師がコンピテンシー育成の授業について学び、理解を深め、広く議論することで、各自の授業改善へつなげることを目的に作成されました。その特徴は3点挙げられます。
 1点目は、教師・児童生徒・教室全体の様子という3画面が同時に視聴できること。多視点からコンピテンシー育成の場面を多角的に捉えることができ、また視聴者の興味・関心や注目に応じて、任意の動画をサイズを大きくして視聴することができます。
 2点目は、指導の意図に関する授業者自身の解説や、その効果についての専門家の解説が聞けること。授業についての理解を深め議論ができるよう、コンピテンシー育成に関する手立てや授業の進め方等について、授業者が解説している映像または音声が用意されています。また、機構所属の大学教員による、コンピテンシー育成のポイントについての解説を視聴することもできます。
 3点目は、インタラクティブな授業検討の交流ができること。各授業動画では、ユーザーがコメントを投稿することができるようになっています。また、動画のタイムライン上で「いいね!」をつけることができ、その数に応じてタイムライン上の色が濃くなり、他のユーザーが注目した部分が確認できます。

 もうお分かりかもしれませんが、このコンセプトはまさに「研究授業をオンラインで」なのです。2019年11月現在、日本語版・英語版合わせて38本の授業動画が配信されています。ご興味がありましたら是非一度覗いていただければと思います。

東京学芸大学 次世代教育研究推進機構
助教 田邊 裕子
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