Vol.215授業動画作成をする上で心がけたこと

2021.4

 コロナウイルスという不測の脅威により、生徒が学校に通学できない状況が続きました。そんな中で、授業をどのように行なっていけばよいのか色々と思案してきました。その一つの手法として、授業動画に挑戦しました。授業動画を作成するにあたって、心がけていることを紹介したいと思います。
 大きく三つあります。①どのような生徒に見せたいか想定する、②時間を短くする、③要点を三つまでに絞る、です。それぞれの理由について説明します。

 ①どのような生徒に見せたいか想定する、についてです。現在、インターネット上にはたくさんの授業動画が配信されています。同じようなものを作成するのであれば、その授業動画のURLを生徒に伝えればよいと思います。動画を作成するのには時間がかかります。私の場合、5分ほどの動画を作成するのに、まず内容を原稿にまとめるので2時間、動画撮影に1時間、動画編集に2時間かかります。なかなか大変な作業だと感じています。ですので、そのような手間をかけるよりは、よいものを紹介するほうが負担になりません。では、授業動画を作るとしたら、どのようなものを作るべきか。それは、自分がどのような生徒に見せたいか想定することで見えてくると思います。例えば、授業中、より発展的な内容に取り組みたい生徒を想定したなら、どうでしょうか。私も勤務校の生徒を想定しながら動画を作りました。授業動画を作成する上で最も重要なことだと思います。

 ②時間を短くする、についてです。授業動画のメリットとして、無駄を省けることがあります。例えば、板書をする時間や板書で書いてあることを消す時間、うまく伝わらない説明。これらは、動画の内容を原稿にまとめる際や動画を編集する際にすべてカットすることができます。生徒の時間は有限で、自分の担当する科目の学習だけではなく、様々なことに時間を使えるようにすべきです。動画の時間を短くすることで、生徒が少しくらいなら見てもいいかという気にさせることも大切だと思います。

 ③要点を三つまでに絞る、についてです。動画の内容が心に刺さり、記憶に定着することは非常に困難だと思います。また、生徒がどのように動画を視聴しているのか。机に向かいノートを広げながらかもしれないし、電車で移動中かもしれません。どんな状況であれ、要点を絞ることで記憶に残りやすくなるのではと考えました。ついつい、内容を盛り沢山にしてしまいそうになりますが、教え過ぎて生徒を受け身にさせないことも大切だと思います。

 以上のことを意識して動画を作成しました。ただ、私の授業動画(メガネ坊主くんの物理基礎)を見ていただけたら分かりますが、様々なご指摘があると思います。また、これらの心がけが生徒にとって有益なものになっているかは分かりません。様々なご意見を頂けたら幸いです。

広島県立黒瀬高等学校
長井優典
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