Vol.075外国語(英語)の授業におけるアクティブ・ラーニング②
子どもの学びの中に「外国語」がある状況を作る

2019.03

 子どもの「外国語に対する興味」は、学習を進める上で大きな原動力になります。子どもの胸をときめかせる、何か面白いことが起こる予感、遊びのように学びに夢中になる、そんな外国語を使った活動が小学校でできないか、といつも考えています。外国語は、その言葉を使う人や使われている地域と結びついた時に、初めて「生きた言葉」になります。新鮮な生の外国語と子どもたちを触れさせたい。子どもと教室の外の世界が実際につながる活動は、どの教科でも子どもをワクワクさせます。それは外国語でも同じです。

 一つの例として、外国からきた紙人形の留学生をお世話するという方法があります。「Flat Stanley Project」と呼ばれるこのプロジェクトは、『Flat Stanley』という本の主人公をモデルにカナダの先生が考えた学習活動で、自作の紙人形を様々な地域に派遣し、その地域の生活や文化を学びます。この活動は世界中に広まり、現在もたくさんの紙人形が色々な国や地域を旅しています。私の小学校でも毎年国外から紙人形留学生を受け入れています。

Flat Stanleyの日本語版(あすなろ書房)
ポーランドから来日した紙人形留学生

 紙人形とはいえ、本当に海外からやってきた「直接見て、触れる外国」の存在は、小学生にとってインパクトがあり、たくさんの疑問が浮かんできます。その疑問について先生が答えるのではなく、子ども自身が地図帳や関連する本を使って調べます。国旗、位置、面積や人口、通貨、言語、食べ物、衣装、観光地など、知りたい内容を子ども自身で決め、調べ学習を通して学びます。

 次に、「日本」のことを紹介します。最初から「英語で」と教員が決めるのではなく、日本語がわからない相手にどうやって伝えるのか、自分で対応策を考えることが、「現地で使われている言葉はなんだろう」「英語だったらわかるかもしれない」という気づきにつながります。子どもの身近にある教材には英語の例文がたくさんあり、6年生は「過去形」を使う絶好の機会になります。これまで授業で習ってきたことを利用し、子ども自身で試行錯誤して、伝えたいことを英語で表現してみることで、実感を伴った外国語を使う体験になります。

プロジェクトに参加した神戸市の公立小学校6年生が作ったポスター

 日本語以外の言葉を使う人たち」の存在を肌で感じる活動は、子どもに外国語の必要性を実感させ、活動の中に外国語が自然にある状況を作り出します。「相手に伝えたい」というはっきりとした目標をもち、自分自身で「今まで習ったことを使って」学習を進めることができる、子どもが主体的に活動する外国語学習の一つの方法です。

横須賀学院小学校教諭  阿部志乃
*Flat Stanley Project公式ホームページ(英語)
http://www.flatstanleyproject.com/default.html
*公立小学校の先生方との取り組みの紹介
https://yges.padlet.org/elemenglish/FlatStanley
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