Vol.102小学校における生活指導②
子どもの自分探しを促す生活指導

 子どもたちは学校で起きている様々なことから、多くのことを学んでいます。その一つは「友だちとのトラブル」です。子どもたちはその時々を乗り越えながら、自分探しをしていると考えています。自分探しは自立を促します。そこに教師がどのように関わるか問われています。

 ちょっとしたことをきっかけに、子どもが怒りに翻弄され暴力を奮ってしまうことがあります。事態をどのように捉え、子どもたちに問いかけながら学級で乗り越えていくかということも、生活指導の大切な側面なのです。

 実際の場面で、私は子どもたちに次のように問いかけました。「みんなは全身汗だくになるくらい怒ることって経験したことはなかったかい?結果的にその子がしたことは悪い。けれど、そうせざるを得なかった子も辛かったんじゃないかな。怒りが爆発する前に何が辛いかをちゃんと聞いてあげた人はいるかい?追いかけたり、力ずくで取り押さえたりする前にできることはなかったかな」と。それに対して「ぼくは、同じようになったことがある。そうなったときに行く場所を決めておいて、そこで一人になるんだ。そうしていると落ち着いて、何が嫌だったかとか話せるようになるよ」と言う子が現れました。「追いかけられたら、行き場がなくなってどうすることもできなくなっちゃう…」と。その子の言葉を聞くことで、力ずくで制止したり、まったく我関せずだったりしていた子どもたちが、暴れてしまった子に対して温かな接点を見い出せたようでした。

 ある意味、煮詰まった関係の中で過ごしている子どもたちです。ときには爆発することもあるでしょう。しかし、互いに思い当たる節を見つめたことで、仲間の辛さを受け入れる糸口を子どもたちは掴んでいきました。その時々に立ち止まってみることで、自分はどう考えるかを自問する。これが自分探しとなり、自立を少しずつ後押ししていくのだと思っています。

 
東京学芸大学附属世田谷小学校
齊藤 豊
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