Vol.145小学1年生って
1年生への音読の指導

2022.08

 初めて1年生を担任したのは、教員2年目でのことでした。1年生の授業で圧倒的な時数を占めるのは、国語です。私は大学時代に国語を専門にしていましたが、1年生への国語の指導は試行錯誤する日々でした。その分、職場の先生方に教わったことがたくさんあります。ここでは、学んだことを音読に絞って2つ紹介します。

繰り返し歌いながら学ぶ
 国語の授業で、一番初めに隣のクラスの先生から学んだ技は、今まで学習したページを歌うように音読することです。巻末等にある五十音表も、抑揚とリズムをつければ楽しく読めます。
 入学前から読み書きを鍛えられた子どももいますが、入学してから本格的に文字に触れ始めた子どももいます。一度の学習で覚えたことにせず、短い時間で毎日繰り返し音読することで、復習の機会になります。
 タイミングとしては、教科書を使う活動の前に入れ込むと良いと思います。みんな歌うことが大好きなので、急いで教科書を用意してくれます。「早く教科書を出しましょう。」と注意することが減りました。

音読のバリエーションをもつ
 1年生をもつまで、私の音読のレパートリーは、丸読み、段落読み、追いかけ読みしかありませんでした。前述の話にも繋がりますが、1年生ではとにかく声に出す機会を多くつくって、文字に慣れさせることが大切です。飽きずに何度も読んでもらうためには、様々な読み方のバリエーションをもっておくと良いと思います。
 ここでは、読み方を3つ紹介します。
 「なぞり読み」は、教師が読んでいるところを指でなぞらせる読み方です。どこまで文を追えているか見とるのに使えます。
 「たけのこ読み」は、自分が読みたい文を選び、音読する時に立って読む読み方です。自分で読むところを選べるので、子どもが楽しんで取り組んでくれます。
 「挟み読み」は、文節ごとに区切って読む読み方です。分かち書きになっている文章は、文節ごとに指で挟むようにしながら、読みます。1字ずつではなく、単語のまとまりごとに読める力をつけてもらうために行っています。

 1年生では、毎日のように国語の授業を行います。この記事が少しでも、明日からの授業の役に立てれば幸いです。

河本はるか
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