Vol.090誰でも出来るプログラミング教育 ②

2019.10

3コンピュータを使わないプログラミング教育だってある!!

活動II【掃除の仕方を工夫しよう①】〜アンプラグドとコンピュータでのプログラミング

 教師(プログラマー)が「立つ→回る→座る」といった簡単なプログラムを、子ども(ロボット)に実行させ、家電製品が動く仕組みを教えます。

 何度かやると「命令した通りに動くけど、詳しく命令しないと動きがバラバラ」、「人間と違って、命令すれば大変な事も永遠にやってくれるけど、命令した事以外はしない」などの性質も捉えていました。
 それらを踏まえ、今度はコンピュータ上で絵を動かします。作ったプログラムを見て「もっとすっきりさせたい。」、「もっと複雑な動きをさせたい。」と工夫しながら、順次・反復・条件分岐といった主要素を学んでいきました。

活動Ⅱ【掃除の仕方を工夫しよう②〜自分がお掃除ロボットに】〜アンプラグド

 清掃場所を分担してチームを作り、汚れに適した掃除の仕方を考えていきます。
前時での活動を生かして、順次・反復については、子ども達からも意見が出ていました。
コードの枚数(命令の数)が5枚までという条件もつける事で、効率よく動くために必要な命令を厳選していました。

次時で、各チームのプログラムを照らし合わせると、互いの動きに矛盾や重なりがある事が分かりました。順序を入れ替えたり、「もしこのチームが終わったら〜する」と言った条件分岐を取り入れたりして改善し、最後にチームでもう一度見直して、実践となりました。

活動Ⅲ【掃除の仕方を工夫しよう③〜振り返り】〜人間は・・・

 全員が、効率よく清掃が出来たとプログラミングのよさを実感していました。
そんな中、1人が「コードに無い事を実行してしまった。」と発言しました。
実は、コードを作っていないチームも「他のチームを手伝ったり」、いつもそうしているからと終了後に「着席したり」してしまっていたのです。
 その事実に気付き、「ロボットになりきれてはいなかった。」と残念そうな子ども達でしたが、最後にこう言った子がいました。「そうか!それが人間としての力なんだ!」臨機応変な対応力、応用力、思いやりなど、「人間だからこそできること」を、子ども達は再発見したのでした。

4おわりに

 この実践と通して、学級担任がプログラミング教育を行う事の大切さも見えてきました。クラスの子ども達に一番近い存在である学級担任が一緒になって学んでいく、それで良いのだと思います。まずはやってみる事が、次への一歩に繋がります。

 

札幌市立札苗緑小学校 宝金友絵
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