Vol.149宿題の目的を問い直す

 「皆さんの学校ではどんな宿題を出していますか?」プリント、音読、漢字等、様々な宿題を出されていると思います。「その宿題を出す目的は何ですか?」と尋ねられたら何と答えるでしょうか。基本的な学習習慣を確立させるため、学習内容の理解を深めるため等の目的が近いのではないでしょうか。
 宿題の方向性として藤村・杉本は「宿題として復習を課すだけでは、学習への関心や意欲、思考力や判断力などを育むことが難しい」と述べています。また、これからの宿題の方向性の一つとして「活用型学力・探究型学力の育成も視野に入れ、家庭学習指導を推進する」ことの重要性についても述べています。本稿では探究型学力の育成に焦点化して考えていきたいと思います。
 私のこれまでの経験では、小学校段階における宿題は復習中心のものが多いと感じます。「基本的な学習習慣を確立させる」「学習内容の理解を深める」ことが目的であれば、プリント、音読、漢字等の宿題で目的を果たすことができると思います。しかし、探究型学力の育成が目的であればどうでしょうか。復習中心の宿題では難しいのではないかと思います。
 伊垣尚人(「子どもの力を引き出す 自主学習ノート実践編」ナツメ社 2013)は自主学習を通じて子どもたちに身につけさせたい力として以下の三つを挙げています。

  1. 創造的(クリエイティビティ)な思考ができる人。
  2. 目的ややる気を自己管理できる自立した人。
  3. 共同社会でともに助け合って協働できる人。

 (学び方の指導や教師のサポートがあった上で)伊垣のように自主学習の目的が明確になっていれば探究型学力を育成することができるのではないでしょうか。ですが、自主学習だけが探究型学力を育成する全ての方法ではありません。復習型中心の宿題、宿題の目的を教師が問い直すことが大切であると思います。また、個別最適な学びが求められている時代です。学校によっては一律の宿題を廃止している学校もあります。宿題の在り方も転換期を迎えているのではないでしょうか。一律の中でも個に応じて内容が異なる宿題の在り方も考えられるのではないかと思います。

[引用参考文献]
藤村美由紀・杉本任士(2019)「小学校における望ましい家庭学習を推進するための方策−敎育実践家・教育学者の宿題に関する論説を通して−」北海道教育大学大学院高度教職実践専攻研究紀要第9号

熊本県菊池市立泗水小学校
小笠原大輔