Vol.089誰でも出来るプログラミング教育 ①

2019.10

1はじめに

 2020年度からの新学習指導要領完全実施まであと半年となり、プログラミング教育についても、以前より広く深く知られるようになったなと実感しています。

 また、パソコンクラブの活動にscratchやviscuitが取り入れられたり、家庭学習でもプログラミング教室で習った内容を紹介するものに取り組んだりとプログラミングそのものが子ども達にとっても身近なものになってきています。

 今回私がご紹介させていただく実践は、子どもはもとより私自身が、「プログラミング」というものにほとんど触れたことの無い手探り状態で行ったものです。だからこそ、「どんな子どもでもすぐに・楽しく、どんな教師でも、すぐに・楽しく」できるものを目指しました。

2家庭科はプログラミング教育との相性バッチリ!

 今回は、「クリーン大作戦」という単元にプログラミング教育を取り入れました。「汚れの種類や汚れ方に合う掃除の仕方を自分なりに考え、快適な住まい方を工夫することができる。」事を目標に、5時間扱いで活動を構成しています。

 コンピュータでの計算制御システムで動く全自動の洗濯機や調理器具、ロボット掃除機など魔法のように便利なものが、現在の私達の生活を支えています。あまりに身近で当たり前になっている家電製品、でも実はそれは魔法ではなく、人間がコンピュータを使って命令(プログラム)を作り、動くようにしているのです。

 その事実や仕組みに触れる事で家電製品の利便性に改めて気付いたり、自分の家庭生活での仕事や作業に置き換えることで見通しをもって考え、効率よく行うことのよさを捉えたりする事をねらいました。

 そこで、自分がお掃除ロボットとなり、プログラミングされた動きの通りに掃除をやってみるという活動にしました。

 まずは、⑴いきなりコンピュータでのプログラミングから始めると難しく感じてしまう子どもをいるので、「アンプラグド」というコンピュータを使わない方法を取り入れ、お掃除ロボットは、様々な命令を組み合わせたプログラムによって動く事を体感します。

 そして、⑵コンピュータを使ったプログラミングを体験する事で、順次・反復・条件分岐などの処理を知り、お掃除ロボットを効率よく動かす方法を学びます。最後に、⑶お掃除ロボットになった自分を動かすプログラムを考え、実践します。様々な場面を想定したり、順序よく物事を考えたりすることのよさを実感できるようにしました。

注)「プログラミン」は、文部科学省公開のプログラミングツール。2020年12月31日をもって提供・サポートの終了が予定されている。

札幌市立札苗緑小学校 宝金友絵
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