Vol.167私から見た「教師の働き方」

2023.8

 学校で仕事をしていると先生も生徒も時間を守っている姿をよく見かけます。それと同時に先生が時間を全く守っていない場面もよく見かけます。いつでしょうか?私が勤務している高校の勤務時間は午前8時半から午後5時までです。朝、私が始業10分くらい前に出勤すると朝練を行っている部活があります。校門で生徒に挨拶をしている先生がいます。先生方は何時からいらっしゃっているのだろうと思います。夕方、私が午後5時過ぎに保育園に子供を迎えに行くために退勤します。まだ、部活をしている生徒がいます。打ち合わせを始めている先生がいます。教材研究をしている先生がいます。進路指導、生徒指導、保護者対応をしている先生がいます。先生方は何時までいらっしゃるのだろうと思います。このように先生は時間を守ることが難しいです。「教師の働き方」とはこのようなものです。

 何か新しいことを始めるときは、仕事が増えるのは困るので多くの先生は反対をします。しかし、結局は「生徒のため」に始まります。また、思い切って何かをやめようと声をあげます。しかし、結局は「生徒のため」にやめません。このように先生は「生徒のため」に仕事を減らすことが難しいです。「教師の働き方」とはこのようなものです。

 近年、「働き方改革」に関する取り組みが行われ、業務の効率化が進み業務の削減が行われています。少し残業時間が減ってきていますが、そもそも残業時間があること自体がおかしいですよね。そこで、管理職主導による「働き方改革」が求められますが、管理職の先生方は学校の中で一番時間を守れませんし、学校の中で一番「生徒のため」に仕事をしています。このように管理職の先生方は「働き方改革」を進めることが難しいです。これも「教師の働き方」です。

 先生方はそれぞれが思う「生徒のため」を実践しています。そのために時間を守れません。学校の中での「働き方改革」には限界があります。そのような中、誰かが「働かせ改革」をしてくれるのを待っている、これが私の考える「教師の働き方」です。

埼玉県立上尾南高等学校
安井 彰浩
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